日本企業の資金調達

        今日は日本企業の資金調達について話したい。

        先ず、高度成長期(19561975年)に振り替えよう。戦後の日本経済を復興に資金を集中し、銀行に資金が集中するような政策がおこなわれた。そのため、証券市場が発達させられず、企業の資金源泉として、銀行借入による外部資金調達に依存した。従って、企業の内部資金が低く、自己資本比率がたかかった。また、この時期の内部金融率(内部資金/総投資)が5060%であった。因みに、アメリカの同期の内部金融率が80140%であった。しかし、借入の中で、長期借入が1972年を境に、増減を繰り返し、1978年にゼロとなった。一方、短期借入が比較的安定し、86年まで2030%の増減を繰り返していた。

高度成長期後、以前優位であった外部調達が徐々に低迷し、内部調達優位に推移した。第1時石油危機は、設備投資収益率が低下する一方、総需要のための金融引きにより金利が上昇し、借入利子率が利子支払前総資本利益率を上回るようになった。そのため、企業は設備投資を抑制するとともに、多額の銀行借入の返済による財務体質の改善をはかるようになり、設備投資に対する自己資本比率が上昇した。

80年代にはいると、円高により、金利が低下た。そのため、銀行借入による資金調達が上昇た。また、有価証券と借入金などの外部借入金の合計比率は90%を超えた数値となっていた。そして、バブル期において、株式資本市場が好調になるのに従い、大企業は多くの株式や社債を発行し、86年度から増資と社債による外部資金調達が急上昇し、80年代は増資と社債の盛り上がった時期となっていた。さらに、頂点として、89年の企業のエクイティ・ファイナンスが30%に達した。データにより、大企業製造業も大企業非製造業も資金調達の比率の中で増資と社債の比率はいつも銀行借入を上回っていた。このような状況で、80年代の日本企業の外部資金調達の依存度が非常に高かったといえる。しかし、資本市場の盛り上がりが大企業に限られた傾向あった。中小規模の企業にとって、銀行がいまだに主な資金源泉となっていたと思われる。一方、同期の内部資金調達には、減価償却による資金調達がいつも利益留保を上回わっていた。

90年に入ると、特にバブル崩壊の影響で、企業の資金調達の比率が変化た。頂点として1989年に30%に達したエクイティ・ファイナンスが1992年に5%まで減少した。また、銀行は80年代の多額の貸出による不良債権問題、さらに、発生した銀行の資本比率の低下で、深刻な財務危機に直面した。従って、企業に資金を貸出すのに大きな影響を及ぼし、銀行は厳格なモニターリングを行うようになった。その結果、銀行借入の比率が徐々に低下した。従って、借入側の企業も銀行への返済の比率が銀行借入を上回っている。一方、企業の資金調達は増資による資金調達が比較的に安定しており、このような資金調達が増加した。しかし、増資や社債などは大企業へしか道が開かれていないので、これを利用したのは大企業に限られている。「企業財務データ」という日本政策投資銀行により作成されたデータによると、社債のなかでは、普通社債の集中度が低下傾向にあるが、92年以降債権が増加してきている。しかし、債権を選択するのは、上位格付けの企業に偏っている。また、90年以降、上場者数は増加傾向にあるものの、株式による資金調達額は低迷している。この要因として、企業の資金需要の低迷と考えられている。

外部資金の割合が低下した一方、内部資金の依存度がたかまり、90年代後半以降、90%の数値に推移した。また、99年から、調査によると、外部資金がマイナスであるため、内部資金が100%を超えた数値という。これをみると、銀行借入の依存度が極めて低くなったといわれている。また、90年代後半以降、規制緩和による自由化と国際化も進化した。その結果、銀行と企業の株式持合いが低下した。これはよく「銀行離れ」といわれる。しかし、実際企業は本当に銀行借入にあまり依存しなくなるのであろうか。

2003年に日本銀行により実行された調査、「資金循環統計」により、企業の外部資金調達の最も構成比の高いのが銀行借入(30.4%)である。次いで、株式・出資(27.9%)、企業間信用(17.1%)の順である。また、銀行借入の異存度を示したFLOANを利用した早稲田大学の調査により、銀行借入に依存度が低いといえない。FLOANは企業の負債額の中から、銀行からの借入がどの程度の割合を含めるのかを示すものである。また、高い収入の大企業の依存度は社債にシフトし、銀行借入の依存度が低下した。しかし、低い収入企業は銀行借入の依存度がまだ高いといわれる。これは、ほとんど中小企業にとって、株式や社債による資金調達が比較的に困難のためなのであろう。

以上では、日本企業の資金調達についての説明である。90年代降、企業の資本金達には変化があるということは確かである。しかし、以前とくらべれば、平均的に借入による資金調達か増資や社債による資金調達かどちらのほうが依存度が高いのかといえば、大きく変化してきたと言い難い。確かに、バブル崩壊後、銀行の借入が低下し、増資や内部資金による資金調達が増加した。しかし、増資による資金調達を利用しているのは上場企業、あるいは大企業にしか限られていない。大企業の資金調達といえば、80年代から債権や普通債権の割合が銀行からの借入より上回っている。ということは、以前から大企業の資金調達は直接金融の割合が比較的に高いといえる。

中小企業の場合は、資本市場にて資金を調達するのが困難であるため、銀行借入に依存するといわれる。確かに、銀行借入の依存度が低くなるという「銀行離れ」はそうであるが、中小企業にとって、銀行借入はまだ主な資金源泉となっていると考えられる。

以上のことから、現在の日本企業には資金調達の比率からみれば変化したが、資金調達の割合をみると、現在において主な資金調達の源泉となっているのは以前とは変わりがあまりない。

~ : reza2912 : 1月 24, 2008.

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